「曳舟」稲荷寿し 松むら 向島店
曳舟に用事で出かけたら、稲荷寿司のお店を見つけた。曳舟の稲荷寿司専門店だ。
松むら、このあたりが向島なんだ。母親が向島の料理屋で働いていたと聞いていた。時系列は定かではないのだけど、荻窪で文豪の家のお手伝いをしていたこともあると聞いている。向島では、しつけの厳しい女将さんに料理などを仕込んでもらったと言っていた。江戸弁もこの時に染み込んだのではないだろうか。「風邪をしいた」と、”ひ”と”し”が同じ音になってしまうらしい。
釜炊きいなりと見たら素通りできない。
海苔巻きと稲荷寿司のセットを持ち帰りした。それぞれ四つずつ詰め込まれている。
海苔巻きが抜群。大きさもちょうどいいし、かんぴょうの煮具合が絶妙だった。
いなり寿司は、お揚げがジュワッと煮汁が溢れる。やや濃い味であり、煮汁が溢れる具合からも濃いめの味が強調される。稲荷寿司の中のシャリには、昆布や人参が入っていた。お揚げのパッとした歯切れに、控えめな野菜の食感が添えられる。
海苔巻きと稲荷寿司を交互に食べる。交換しながら食べると濃さがちょうどいいな。かんぴょうと油揚げの炊き上げが、やはり専門店の味わいだと思う。
お店:稲荷寿し 松むら 向島店
住所:東京都墨田区東向島1丁目15−12