「烏丸御池」うしのほねあなざ
ゼミ同窓生の博士課程の合否結果が出た。見事に合格だった。博士誕生のお祝いとして一席用意することになり、予約していたのはうしのほねあなざ、町屋をリノベーションした居酒屋。烏丸御池でお得な会席コースが楽しめる。
暖簾の屋号が控えめなので、一度目は通り過ぎてしまった。
靴を脱いで二階へ上がる。
入り口すぐに階段があったため、店の全体の把握はできなかったけれど、いい雰囲気だった。
前菜八寸
右手側のスープのような器は、昆布×甘海老カリフラワーオリ流し、お寿司は小鯛すずめ寿司、葛南瓜には小豆を載せている。ハマグリにはリンゴが隠されていて、ブロッコリーと甲イカをナムルにしていた。
居酒屋とあったから、いきなり手の込んだ八寸が出てきて驚く。しかもバラエティに富んでいる。
甲イカのねっとりとした食感、小鯛はちょうどいいサイズのシャリがあるから、より旨味を感じる。そして、春はハマグリが、なんともめでたい。
造里
よこわとぶり。ぶりの脂のり、テラテラとした見た目からも分かるが、口に入れたら想定以上だった。それとコントラストを示すかのような、よこわ(マグロの幼魚)は、さっぱりと食べさせる。
碗
雲子昆布締め・蕪・柚子
雲子は、タラの白子のこと。しながきがあって、字をよく確認しないまま見ていたから、雲丹と勘違いしていた。見た目は白子だよね、なんて言いながら調べたら、雲子という呼び名があるのね。
旨味が詰め込まれている。昆布締めだからだろうか、クセがなく、コクのある旨味だけがあり、余計な余韻もない。
楊
冬の春巻き二種 カニと冬セロリ カキと冬菜
半分にカットされた春巻き、それぞれ別の味。牡蠣を春巻きにするって、フライとも違う牡蠣の楽しみ方。蟹の淡い旨味、セロリは個性を主張することもなく、これは食材の合わせ方がすごい。
温
銀鱈 里芋 金時人参 最中 カカオ香る味噌
上にかかっている味噌がカカオの風味付けをしている。下に敷かれているのが最中。
タラの旨味、さっき食べた白子のことを思い出す。里芋、金時人参、お正月のようだ。最中は、とろとろになっていて、ホワイトソースのような感じ、和洋折衷のシチューの雰囲気。
凌
天然クエ 焼葱 九条だれ
小さな小鉢だけど、クエが二切れ、その下に甘味の深いネギがある。
名代うしのほね風シチュー
お店の名前がうしのほね、肉料理のお店なのかなと思っていたけれど、手の込んだ和食が続いて驚いた。このシチューが出てきて、これが店の看板メニューなのだろうと理解した。
とろりとしたシチューは、肉の旨味をうまいこと取り出し、しつこさがない。ここまで魚を主体に食べてきて、このしつこさの無いシチューというのがポイントだと思う。
パンはお替りできる。
甘
季節のアイスクリーム。柚子だった。
いい店だな。
お店:うしのほねあなざ
住所:京都府京都市中京区中ノ町15−1